飛べないブタはただのブタさん

もはやブタはいません。

勉強環境と利用したもの

弁理士試験の勉強環境について。私の場合は以下のような環境でした。

  • 所帯あり(こども2人)
  • 2014年8月〜10月までは平日ほぼフリー(博士本審査後だったので)
  • 2014年10月以降はフルタイム勤務。残業はそこそこ。
  • 通勤片道1時間半(千葉〜東京)
  • 家帰ったら洗濯掃除子どもの世話。
  • 土日は子どものサッカー付き添い
  • 試験仲間のリアル知り合いは事務所の人だけ。

ざっくり言うと、落ち着いて勉強する時間はほぼほぼありませんでした。それでもなんとか時間を捻出しなければならなかったので、以下のものを利用しました。

  • LECの通信スマートコース(馬場先生)

まず予備校選びですが、通学する余裕もない状況でしたので、通信だけで完結する講座を選びました。スマートコースのコンセプトも「効率よく勉強する!」というものでしたので、ピッタリだなぁと思いました(効率よく勉強することについては後日)。制度、条文を理解することに重点が置かれていますので、論文試験がほぼ未対策だったにもかかわらず、一発で合格できたのもこのおかげかなと思います(ポジショントークかもしれませんが)。

  • 往復の通勤時間

これもよく言われます。私の場合はだいぶ遠いところ(千葉の向こう側)から東京に通ってるので、通勤時間は十分(10分ではない)ありました。

ただ、如何せん首都圏の通勤ラッシュは尋常ではないので、車内での勉強は集中しにくく、効率も落ちて体力も消耗します。

なので、自分は有料の特急電車に乗って、座席を確保して勉強しました。この場合だと、参考書や答練をテーブルに置いて勉強できるので、実質的に自習室を利用している感覚でした。特急料金はかかりますが(トータルで10万円以上は使ってると思う)、時間をお金で買ってると思って割り切ってました。快適なので今でもたまに乗っちゃいますが。。。ともかくこれで、1日2時間は勉強時間を確保できます。

  • 子どものサッカーの時間

子どもの土日のサッカーの練習の間はずっと勉強していました。暇だし。

これは馬場先生の方針で、スマートコースの受講生は基本的にTwitterのアカウントを作って、できれば勉強したことなどを継続的につぶやく、というものです。私はゼミも入っていなかったので、事務所の人以外の試験仲間がいませんでした。ですが、Twitterだと同時期にスマートコースを受講していた人たちの状況を知ることができたので、少し心強く思いました。

また、スマートコース受講生だと、馬場先生にTwitterで質問することもでき、また他人の質問に対する先生の回答も見れたのでよかったです。

  • 家族の理解

これについては人並みですが、土日も勉強させてもらったのはほんとありがたいと思いました。もちろんたまには遊びにも行きました。

  • 職場の協力

これは事務所勤務に固有だと思います。企業とかだと厳しいかも。具体的には、試験前に連休を取らせてもらったり、過去問やレジュメをもらったりなどです。論文と口述は半分は事務所のおかげだと思います、たぶん。

 

というわけで、各人環境は違うと思いますが、勉強する時間がない!というのは受験生全員に共通してることだと思います。なので、勉強時間はお金を払ってでも捻出した方がよいです。

また、勉強の進め方次第では、トータルの勉強時間もかなり圧縮可能だと思います。自分もおそらくトータルの勉強時間は1000時間もいってないと思います。私は暗記があまり得意ではないので、とにかく条文の趣旨の理解につとめました。その辺りはまた後日書きます。

 

弁理士試験の軌跡

2016年度弁理士試験に最終合格しました。せっかくなので、勉強したことや気をつけたことなどを適当に綴っていこうかと思います。

 

とりあえずこれまでの軌跡

 

2014年6月

研究のキャリアを志すも良いポストがなく、弁理士になろうと(研究を半ばすっぽかして)特許事務所を物色、就職内定もらう。

 

2014年7月

博士の本審査通過、研究をまとめる。

 

2014年8月

弁理士試験の勉強開始。LECの通信スマートコースを受講(馬場先生)

 

2014年9月

スイスの学会に参加中、副鼻腔炎になるが、気合いで登山する。耳が死ぬかと思った。

 

2014年10月

勤務開始

 

2015年5月

短答試験(1回目)@立教

妖怪の問題が出た。

37/60で不合格

その後は基本予備校には行かず、ひたすら条文、過去問(短答)を読む。

たまに単発の講座を受ける。

(このあたりは追い追い)

 

2016年5月

短答試験(2回目)@立教

試験方式が変わってて非常に解きやすくなる。

47/60で合格

いそいで論文試験の対策をはじめる。

ひたすら過去問を全文書き&直前1週間前から重要条文や判例の趣旨を叩き込む(意24条とPBPが出た!)

 

2016年7月

論文試験(1回目)@仙川

特許1問目で1時間半もかかる。

同じ部屋にいた不正受験者がつまみ出されるのを目撃する。

なお選択は免除です。

 

2016年8月

論文試験はどうせ落ちたと思ってほとんど勉強せず。たまに口述アドバンス眺めるくらい。夏休み台湾楽しかった。

 

2016年9月

論文試験

117/56/59(うろ覚え)まさかの合格

いそいで口述試験の対策をはじめる。

会派の練習会を、事務所の人や知り合いのつてを頼って申し込む(4回)

予備校の模試は高かったからパス(この辺りは追い追い)

 

2016年10月

口述試験@例のホテル

ど緊張。特許はあっさり。意匠は微妙。商標はお情けでOKもらう。

 

2016年11月

最終合格!

 

という感じです。私の試験勉強の大きな特徴としては、

1.LECにお世話になってたのは最初の年だけ

2.論文対策はほぼゼロ(答練やってません)。ひたすら過去問を回して、パターンと型を頭に入れる。

3.口述対策は突貫工事でなんとかなる。

という、非常に危なっかしい感じで、しかしコスパ良く、たまたま運良く合格できたのかなと思います。

ただし、試験勉強を通じて一番大事だと思ったのは、短答試験の対策を(特に四法)徹底的にして足場を固めることです。論文試験は、極論としては、固めた足場の上にパズルを組み立てていくようなものでしたし、口述はこれまで学んだことを如何にアウトプットしやすくなるように反復して練習するものでした。

勉強方法についてはまた追い追い。

先願参照出願

特38条の3
例えば第1国出願をパリ条約の同盟国で行ってて、当該出願を優先権の基礎として日本出願をしようとしたら翻訳が間に合わなくて優先期間が過ぎそうなとき、とりあえず出願の日を認定するために、優先期間ギリギリに第1国出願を参照して出願する、というのが先願参照出願の具体的な使い方だそう。
しかし、後に提出する明細書等の書類に記載の内容が少しでも参照先の出願に添付した明細書等の書類に記載の内容に含まれないものがあれば、当該参照出願は明細書等の書類を提出した日に繰り下がるとのこと。この場合、上記のようにパリ優先権を主張しようとしたら、明細書等の提出日が優先期間を超過していたら、優先権は喪失されてしまって優先権の利益を受けることが出来ない。

特134条の2第8項

H27-44(4)で出た問題。
第百五十五条第三項の規定により特許無効審判の請求が請求項ごとに取り下げられたときは、第一項の訂正の請求は、当該請求項ごとに取り下げられたものとみなし、特許無効審判の審判事件に係る全ての請求が取り下げられたときは、当該審判事件に係る同項の訂正の請求は、全て取り下げられたものとみなす
後者については無効審判に係る全ての請求が取り下げられたときは、訂正前の状態に戻しておきたいから、という23年改正の解説にもあるけど、問題は前者。当該設問だと取り下げられた請求項が一群の請求項に含まれてるから、この場合は一群の請求項ごとに訂正請求が取り下げられるんじゃないの?無効審判の請求は請求項ごとにできる(一群の請求項ごとではない)けど、被請求人は無効審判に係る請求項が一群の請求項に含まれている場合は一群の請求項ごとにしないといけないから、この場合も一群の請求項ごとなのかな、と思ったら。。。

特許庁のQ&Aにはまさかの例外規定とのお答えが。
のQ16

この場合は一覧性の欠如が生じるけどしゃーないし、それが嫌なんやったら無効審判の取り下げを承諾せんかったらええんやという投げやりな回答ががが。どちらにせよこういう状況が生じ得るかは怪しいけど。実際はメインクレームを潰しにかかるし全件審判にかけるとアホみたいに金かかるし。

とりあえず、一群の請求項については
  • 訂正請求は、無効審判に係る請求項が一群の請求項にあるときは一群の請求項ごとに(2項)
  • 一群の請求項ごと→訂正請求を取り下げるときは全て取り下げ(7項)
  • 無効審判が請求項ごとに取り下げ→訂正請求も請求項ごとに取り下げ(not一群の請求項) 全件無効審判取り下げで訂正請求も全件取り下げ(8項)
  • 無効審判の棄却審決確定後に訂正が確定
  • 審決取消訴訟で一群の請求項の一部の請求項について棄却審決取消が確定→その他の請求項も審決取消(181条)

ややこしすぎるよ一群の請求項。一覧性の欠如を防ぐという意味では分かるけども、134条の2第8項みたいな例外もあるわけだから。。。

再スタート

ブログの趣旨

長らく放置していたので再起動することに。
再開する理由としては
  1. 日々の仕事の備忘録(あくまでも一般論として気になったこととか)
  2. 文章の鍛錬
  3. ひまつぶし
というところかな。
特に1については、2014年の秋からペーペーの特許技術者として仕事を始めるも、1年目が終わるくらいからいきなりPCTだの各国国内移行だので様々なプラクティスを早く身につける必要があるから、必要に迫られて始めるものである。
あとで整理できるようにして、ゆくゆくはそれで一冊参考書が書ければとも思う。
並行して、弁理士試験も差し迫ってるので、過去問や答練で間違えたところを整理できればと思う。
とりあえず、何かに書き留めないといけないけど、昔と比較してスマホの処理も格段に早くなってるので、メモを取るにはいいかなと。
とりあえず寝る前とか帰りの電車とかで、思考の整理としてしばらく続けてみようと思う。

ロースカツを噛み締めて

今年のはじめ、ひとりの偉大な男がこの世を去った。名は納谷幸喜、またの名を大鵬幸喜。言わずとしれた戦後最強の大横綱である。巨人大鵬卵焼きというフレーズのしっくり感はともかくとして、当時昭和30年代の男の子たちの好きなものに堂々と冠するところ、差し詰め今のルフィくらいに相当するのかもしれない。

その大鵬という名を冠した食堂が吉祥寺にある。サンロード商店街を入り、その後すぐ脇道にそれて小径に入る。雑居ビルの狭い通りを抜けたところにとんかつ大鵬がある。吉祥寺というシャレオツ空間にぽつんと昭和の風情を残すとんかつ屋は、小汚いビルの2階へと続く階段からお邪魔することができる。

とんかつ屋ということで、ランチの時間はヒレカツ定食、ロースカツ定食、カツ丼定食、カツカレー定食、メンチカツ定食と、カツを中心としたメニューである。なぜかステーキもある。ステーキもウリらしいがそこはよく知らない。暖簾をくぐるとお姉さんが対応してくれた。12時半くらいだったが、あまり混雑はしていない。空いてたテーブル席に座った。メニューは一瞥しただけで、ロースカツ定食を頼んだ。

席は普通のテーブル席に、厨房と相対しているカウンター、また奥に少しお座敷がある。デスクワークの合間のお昼休みを堪能しているサラリーマンがほとんどであり、若い人たちは座敷で足をだらしなく伸ばしながらタバコをふかしていた。ずっと仕事の愚痴である。ランチタイムから。

ぼんやり待つこと5分、目の前にロースカツの御膳がどんと置かれた。中央にロースカツが6切れ、キャベツ、ごはん、味噌汁、お新香である。ごはんはお代わり自由であり、米は小粒でパサパサ気味であるが、その分喉が通りやすい。味噌汁は小さな豆腐とネギが入っている。お新香はたくあん。そしてカツ。カツには備え付けのソースをたっぷりかける。もちろんキャベツにも。ドレッシングなどというものはない。

カツを一口ほおばる。パリパリ、サクサクという食感は、カツのきめ細やかな衣から一気に口の中に広がっていく。そして中身の豚肉はそれなりに厚く、じゅわっと肉汁が衣と絡まり口の中でとろけていく。旨い。ソースはたっぷり目のほうが、よほど味が染みこんできて良い。カツ、ごはん、カツ、ごはんをちびちびと繰り返しながら。

カツが半分になったところで、ご飯をお代わり。たっぷりですか、半分ですか、と訊かれたので、半分で、と答えた。戻ってきたお椀には、それなりにたっぷりのご飯が入っていた。またそれを平らげる。隣のテーブルの男性は、メンチカツ定食を注文したようだ。ひき肉の甘い香り、ここまで伝わってきた。

もぐもぐもぐもぐ繰り返しているうちに食べ終わってしまった。ごちそうさま。ここで出てくるのがコーヒー。サービスらしい。ドッピオほどの大きさのカップに出てきたコーヒーの濃さは、さながらアメリカンだった。いっぱい食べたら眠くなるから、これを飲んで目を覚ましてまた働けということか。働くひとのためのランチである。

これだけいっぱい食べて、なんと750円である。某有名チェーンの和◯だと1200円はするであろうに。ま、味はめちゃくちゃ美味であるかというとそういうわけでもないのだが、ただやはり出来立ては美味しい。学生時代よく通った店は全く姿を変えずにそこにいた。ただ、レジに置かれていたハンカチ王子こと斎藤佑樹の写真はおそらく早稲田にいた頃の輝かしいオーラが、より一層定食屋の寂寥感を際立たせていたのであった。

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どの舞台で勝負するか

なんでも自分の舞台に引きずり込んで勝負しようとするのは、自分が負けるリスクを減らすことにはなるかもしれないが、それによって得られる経験値は少ない。

相手の舞台に果敢に挑戦しよう。

分からないこと、敵わないこと、ボコボコにされることもある。負ける確率の方が圧倒的に高い。それでも得られるモノは少なくない。

白黒はっきりさせることだけが勝負じゃない。胸を借りて謙虚に乱取りして打ちのめされるぐらい、必死に挑戦し続けることが大事だ。