飛べないブタはただのブタさん

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世界のナベアツがアホになる確率

昨日出た問題

ある自然数を選んだとき、世界のナベアツがアホになる確率を求めよ。

なお、ナベアツは3の倍数と3のつく数字のときにアホになるとする。

とりあえず解答を

アプローチとしては「3の倍数と3のつく数字」を仮に「ナベアツ数」と定義すると、その余事象「3の倍数でもなく、3がつかない数字」(これを非ナベアツ数とします)が出る確率を考えることがスマートです。
 
まずは粗い解答から。仮に1からN桁までの自然数10^N - 1 = 9999...99)の範囲における確率として考えると、

  • 3の倍数にならない確率は\frac{2}{3}
  • 各桁の数が3以外の数字になる確率は(\frac{9}{10})^N

となるので、非ナベアツ数が出る確率は、
\frac{2}{3}(\frac{9}{10})^N
より、ナベアツ数となる確率は
1-\frac{2}{3}(\frac{9}{10})^N

となる。

ところがこの解答には穴があって、たとえば各桁の数に3以外の数を入れたとすると、それらのうち3の倍数である確率が決して1/3ではないのは自明ですね。なのでこれはあくまでも近似解。
 
――――――――――
 

正しい解答はたぶん次のように考えるんだと思います。アプローチはさっきと同じ「非ナベアツ数」となる確率を考えます。

まず定義域として、0からN桁までの整数を考えます。*1

そして、N=1とN≧2の場合で分けて考えます。
まずN=1のときは、ナベアツ数は3,6,9の3通り。よって1/3。
問題はN≧2のとき。さっきはN桁のときの各位の数について考えましたが、そうではなくて、N-1桁の数から一つ桁を増やすことを考えてみます。

まず、N-1桁のときに非ナベアツ数となる確率をA_{N-1}とします。N-1桁の非ナベアツ数から、上位に1桁増やすことを考えます。その増やす数については場合分けが必要です。
非ナベアツ数は3の倍数ではないので、各位の総和を3で割ると余りが1か2となるはずです。

  1. あまりが1のとき、N桁のときもナベアツ数にならないためには、上位にくる数は、0,1,4,6,7,9の6通りがあります*2
  2. あまりが2のときは、0,2,5,6,8,9のこれも6通りとなります。

ということは、N-1桁のときに非ナベアツ数であれば、1桁増やしたときに非ナベアツ数である確率は\frac{6}{10}となります。つまり
A_N = \frac{6}{10}A_{N-1}
となります。簡単な漸化式です。
ではN=2のときを考えます。1の位は0〜9までの3以外の数が付きます。10の位ですが、1の位の数を3で割った余りが1or2のときは上記のとおり、6通りきます。では1の位が0,6,9のときはどうなるかというと、これも1,2,4,5,7,8の6通りです。なのでN=2のときの非ナベアツ数となる確率は、
A_2=\frac{9}{10}*\frac{6}{10}
となります。以上より、
A_N=\frac{9}{10}(\frac{6}{10})^{N-1}
A_N=\frac{9*6^{N-1}}{10^N}
となります。

気をつけなければならないのは、この確率は0からN桁までの整数というように、0も含んでいる場合の確率です。本当の条件は1,2,3...と自然数なので、0は省きます。0は言わずもがな3の倍数としてカウントできるので、非ナベアツ数となる本当の確率は母数から0を省いて、
A_N=\frac{9*6^{N-1}}{10^N-1}
となります。よってナベアツ数となる確率は、
A_N=1-\frac{9*6^{N-1}}{10^N-1} (N≧2)
となります。

あってるかどうかは分かりません。あとでシミュレーションして確かめようと思います。あと気になるのが、N桁の最大値(9999...99)までじゃないと確率が求められない点ですな、このままだと。よって新たに次のような問題を提起してみる。

世界のナベアツがN回目にアホになるときの数を求めよ

なお、ナベアツは3の倍数と3のつく数字のときにアホになるとする。

これはむずかしいぞたぶん。

追記
間違ってた鬱

*1:0を含めるのは、各位にそれぞれ0〜9(3以外)が入るとすると、すべて0が入る可能性も考慮するため。最終的には0は自然数でないうえ、そもそも3の倍数として扱える(つまりナベアツ数=非非ナベアツ数)のであとで排除可能です。

*2:最上位に0が来るのは違和感がありますが、桁を増やすというのは整数の範囲を増やすという意味なので、上位に0をつけるというのは桁を増やす前と同じ数になる、ということになります。