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飛べないブタはただのブタさん

もはやブタはいません。

女子と鉄道

読了

女子と鉄道

女子と鉄道


「負け犬の遠吠え」で脚光を浴びた酒井順子さんの鉄ちゃんエッセイ。最初内容がどんな感じなのか全く予想ができなかったのですが、すごいがっつりな鉄ちゃんというわけでもなく、しかし鉄道に対する愛情は並々ではないような気持ちがほんのり伝わってきました。語り口がとてもあっさりしてて読みやすい。鉄道を全く知らんでも興味がなくても読めます。

筆者は生まれつきの鉄ちゃんというわけではなく、宮脇俊三にインスパイアされてそれ以来鉄道が好きになったが、なかなか人には言えない時期が続き・・・という鉄道に対する腐女子感というかなんというか、今までにはない鉄ちゃんのような気がしました。「鉄子の旅」ではなんとなく冷やかし的な目で鉄ヲタを観察している菊池直恵に対して、酒井順子は本人が鉄道が好きということもあって、なぜ鉄ちゃんは鉄道が好きなのか、ということを客観的に分析していて、なおかつ彼らに暖かい眼差しを送っていました。紹介している路線も、立山砂防工事のトロッコ*1のような超マニアックなものから、山手線をとりあえず一周ぐるっと回ってみるとか、Suicaペンギンの誕生秘話のような身近なものまで、幅広く書かれています。他にも「ブルートレインのB寝台は男性のためにある」「痴漢に関する男性と女性の意識の差」「男は鉄道に母性を求める」というような女性から見た鉄道という視点も斬新でした。いろいろ今まで気づかずにいてはっとしたことが結構あって面白かったです。おすすめ。

*1:このトロッコのスイッチバックは38段まであるぞ