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飛べないブタはただのブタさん

もはやブタはいません。

アルバンベルク

今更ながらアルバンベルク四重奏団の感想を。

アルバンベルク四重奏団 解散公演@サントリーホール
ハイドン弦楽四重奏曲 第81番
ベルク:弦楽四重奏曲
ベートーヴェン弦楽四重奏曲 第15番

まずカルテットの全体的な印象として、ものすごい情念を感じました。日本ラストの演奏会ということもあったのか、若干力んでるところもあったような気がしましたが、なんか楽器が鳴っているというか咆哮のような物凄い力強い音でした。サントリーの大ホールの広い空間であんだけ自分の音が響き渡ると気持ちいいんだろうな。凄い。


ハイドンは初めて聞く曲。なんかわりと複雑な感じですが、すごい軽快に進んで気持ちよかったです。3楽章のメヌエットは物凄いがつがつ弾いてた。

ベルクはわかっていたけど難解。うーん。

さてお目当てのベートーヴェンSQ Nr.15。結論から言うと、言葉では言い尽くせない感動がありました。曲が終わった瞬間の心拍数が全力で走ったくらいになるほど、気持ちが昂っていました。1楽章の冒頭の和声がこれから始まる音楽への期待を膨らましてくれました。なんていうか、変にルバートしたり感情移入したりせず、ただ愚直に不安と希望が交錯するメロディーを作り上げていく、という感じでした。まさに王道。そして力強い。もう楽しくて仕方ありませんでした。2楽章はとても優雅、特にトリオが。そして圧巻の3楽章。和声に全くブレがなく、めちゃくちゃ美しい。珠玉の音とはまさにこういうことなんだろうな、と思いました。いやほんともう幸せすぎる。風邪ひいて鼻水ダラダラ出っぱなしだったのに、本当に「病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」を体現したような、素敵な演奏でした。これだけでおなかいっぱい。そして4楽章からレチタティーヴォを経てアタッカで5楽章へ。この5楽章の冒頭のメロディーに鳥肌が立ち、目が潤んでしまった。いつ聴いてもとても哀愁漂うメロディーなのに、この日は本当に感動しました。最後のクライマックスのチェロの旋律は、彼らの雄叫びなのか、ボロボロ涙が出てしまった。凄い。昇天しそうだった。


終演後、何度も拍手に応え、最後には自然とスタンディングオベーションが。いやー本当にこの場にいられただけでもとてもよい経験となりました。プロの演奏はやっぱり素人の室内楽と全然違うけど、渾身の演奏というのは本当に人の心を動かす。ためになります。あー、本当に解散しちゃうのか。


9月はハーゲンカルテット。これはこれで楽しみ。