富士銀行行員の記録

富士銀行行員の記録

富士銀行に40年近く勤めつつ、企業の利益至上主義による理不尽な経営方針と労働環境に頑なに立ち向かい続けた、というお話。銀行員は忙しい忙しいというけれど、昔はもっとひどかったんだろうなぁという感想もあるが、それよりも著者の小磯さんが、正当な主張をもって筋を通し続けてきた、という姿勢がなによりも評価できる。労働云々の主張だから、共産党ぽい思想があると思われるけれども（実際小磯さんは共産党に入党したが、そのうち党の方針に疑問を持ち離党した）、法令遵守、人権の尊重をただ主張し続けていたというのは、当時の状況を鑑みると大変なことだったんだろう。尊敬。