おもさげながんす
- 出版社/メーカー: 松竹
- 発売日: 2003/06/25
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- 作者: 浅田次郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2002/09
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新撰組最強の隊士と呼ばれている吉村貫一郎を描いた作品。twitterに「壬生義士伝の映画観てるなう」的なこと書いたら、いろんな人から絶対泣くよ的なreplyがあったんですが、まさにその通り。小説では切腹を命じられて自分と向き合っている吉村の述懐と、当時の吉村を知る人物の回想とが入り混じっていて、徐々に吉村の人物像が浮かび上がっていくという感じで綴られている。まだ上巻まで。
映画は、そのうち、吉村と最も反りが合わなかったとされる斎藤一と、吉村の息子と同期で上司にあたる大野千秋からの視点から吉村貫一郎という人間にスポットライトを当てている感じだった。が、泣かせる泣かせる。吉村に関する記述は、例えば同郷の誼でかつ上司だった大野次郎右衛門(千秋の父)の存在は確認されていないなど、勝海舟の作品で有名な子母澤寛の創作によるものが基盤となっていることもあって、若干フィクション感はあるものの、そこは泣かせる浅田次郎と滝田洋二郎。一つ一つの演出がとても印象的で、特に視覚的には、血の色がとても鮮明だった。斎藤一の愛人であったぬい(中谷美紀さんきれい)が、斎藤と別れなければならず自害してしまったときの色彩がとても美しくてはっとさせられてしまった。
ところで新撰組と言えば浅葱色のだんだら染の羽織のはずなのに、浅葱色ではなく黒地の臙脂のだんだらだった。これはなんだったんだろう。それだけはイマイチ違和感があった。でも夜襲のことを考えれば、目立つ浅葱色よりも黒の方が実務的なんだろうなぁと思う。