飛べないブタはただのブタさん

もはやブタはいません。

クァルテット・オクテット

久々におひとりさまでコンサートに行ってきた。息抜き。

メンデルスゾーン生誕200年記念 特別演奏会@紀尾井ホール
ジュリアード弦楽四重奏団上海クァルテット

ジュリアードは2年前の佐倉ぶり、上海は初めて。学生引換券が3000円ということもあって聴かずにはいられなくなってしまった。席は2階の舞台のちょうど横に位置する場所。音響が少しバランスが悪かったけど、奏者が近くてよかった。


まず最初のバルトークは、ジュリアードの十八番ということもあって、難解すぎたけど楽しく聴けた。1stヴァイオリンが今シーズンから若い人に入れ替わったということもあってどうかなぁと思ってたけど、音質が他の3人ととてもマッチしていて、全く違和感がなかった。むしろ表現が以前よりも少しまろやかな感じになったかなぁとも思った。バルトークってどうやって練習して合わせるんだろう。2楽章で少しミスがあったようにも見えたけど、とても素晴らしかった。


次の上海クァルテットのラズ3は、とにかく推進力が半端なかった。割と荒々しい演奏ではあったけど、表現にメリハリがあって、独特の世界観に引き込まれた。1・4楽章と2・3楽章で本当に同じカルテットなのか、と思わせるほどの幅の広さに驚いた。ともかく凄い溌剌としてて、改めて良い曲だなぁと思ったし、プロでもアンサンブルが難しいんだなとも思った。軽やかさ、重厚さ、快活さ、寂寥感、全部詰まってて大変すぎるよラズモフスキー。ただ最初の和声が微妙なのは気になったかも。あと、ベートーヴェンは結構激しく弾く方が表現的には良いとも思った。


で、メインのメンデルスゾーン8重奏。ジュリアードが1番(3番)、上海が2番(4番)という師弟っぽい編成でした。この曲をちゃんと聴いたのは実は初めてだったけど、爽やかだし音が豊かで思ったより楽しい曲だった。少し1stVnの負担が多い曲だったけど、見事に弾きこなしていたし、何よりもアンサンブルの充実具合が尋常じゃなく、聴いていてとても心地よかった。改めてアンサンブルの楽しさを実感。4楽章のフーガの入りが良かった(上海のチェロ)。それにしてもこの曲、メンデルスゾーンが16歳のときに習作として作ったらしい。信じられん。


というわけで大満足。室内楽をやるモチベーションにも一役買ってくれました。3000円だし。室内楽のコンサートの良いところは、

  • オーケストレーションがシンプルだから基本的に名曲が多い。勉強になる。
  • 客層が割と洗練されてるから、誰かフライングするんじゃないかとか、変な気を遣わなくてよい。
  • コストが低いから、料金安い。

だと思うんだけどいかがでしょう。
メンデルスゾーンの8重奏は、年内にもう一回聴けるチャンスがあるみたい。ゲヴァントハウス弦楽四重奏団の演奏で。
該当公演なし

そのうち古楽も聴きに行きたい。