飛べないブタはただのブタさん

もはやブタはいません。

時間がない人の弁理士試験対策

前回書いたように、大学受験とは違って、資格試験は働きながら取得を目指さなければならない人が多いと思います。なので、特に平日はまとまって勉強する時間がないと思います。また、休日も、家族がいるとなかなか勉強するのは大変なんではないかなと思います。なので、ある程度、勉強法を考える必要があります。特に短期で合格したい人はなおさら。

 

そこで、自分の場合は、制度の趣旨、理解からはじめて、そこから条文や各条文の要件を理解することを念頭に置いて勉強していました。

何事も物事を見るときには大局的に捉える必要があります。特許法等の知財関連法もそうです。

自分は、まず特許法等に規定されている制度について、その制度の意味合いや目的を理解することにつとめました。なぜ「分割出願」の制度があるのか?どういう利点があるのか?どういうときに使う制度なのか?という、ざっくりとした理解です。

この段階では、まだ細かい要件(査定後分割とかみなし優先権とか)はスルーします。覚えても忘れてしまうので、とりあえず「こんな制度があるのかー」程度で良いと思います。

で、制度についてある程度理解したら、今度は要件についても理解していきます。覚えるわけではありません。どうせ忘れるので。例えば、なぜ「何人も」審査請求ができるのか、「最後の拒絶理由」の応答の際には17条の2第5項の補正要件が課されるのか、などなどを理解することです。

馬場先生はよく「理由づけ」をして理解することを仰られています。この理由づけは、短答試験で要件を覚えるのに便利なだけではなく、後々の口述試験で最終的に役に立ちます。

このように、条文の意味を理解しながら勉強するということは、結果的に、単なる暗記よりも、何倍も効率よく吸収することができます。

最終的には条文に記載されている要件はしっかり記憶する必要はありますが、その段階に如何に早く到達するか、ということを考えると、「制度を理解する」→「条文を理解する」→「要件を理解する」というように、理解に努めることが最善策なんではないかなと思います。

 

なお、上でも述べているように、「覚える」ことは最後の段階で良いと思います。むしろ、理解を深めていくうちに、気づけば記憶として定着する、ということの方が多いかもしれません(いわゆる長期記憶として)。