飛べないブタはただのブタさん

もはやブタはいません。

PCTの勉強:弁理士試験

PCT、鬼門of鬼門ですよね。 平成27年度の試験まではPCTは丸々捨てるという選択肢もあったのですが、平成28年度から各法域ごとに足切りが導入されてしまったので、ぶん投げる訳にもいかなくなりました。しかも条約10問中4問も出してくるから、ウェイトもかなり大きいです。私も、平成28年度のは4問中2問しかできてませんでしたが、まだ助かった方かなと思います。

ただ、今後の特許実務においては、国際出願、内外業務は避けて通れないですので、どちらにせよ勉強する必要はあります。

国際出願の流れを把握する

PCTは規則がアホみたいにあります。絶対覚えられないです。

ただ、実務でよく使われるような規則は、試験でも間違いなく問われるところです。例えば、優先権主張出願、国際調査、見解書、19条補正、予備審査、34条補正、単一性、国内移行、手続取下げなどなど。。。

なので、まずは国際出願の一連の流れを理解すると良いかと思います。これがわからんと、規則を読んでも意味不明です。

そこらに落ちているのだと、特許庁が公開しているテキストが役にたつかなと思います。

ざっくり(と言っても49ページもある)制度とか割と細かな手続の説明が書いてあるので、とっかかりにはいいかなと思います。

登場人物の違いは必ず把握

出願人、受理官庁、国際事務局、国際調査機関、国際予備審査機関、指定官庁、選択官庁などなど、多くの登場人物がPCTには登場します。ここで、上述した「国際出願の流れを理解する」うえで、「誰が」「何を」「誰に」送付したかなどを頭に入れながら進めるといいと思います。そうするうちに、これら登場人物の役割の違いも理解できます。また、「誰が」「何を」「誰に」送付したかとかいう問題はしょっちゅう出ます。誰のところが、違う人に入れ替わってたり、落ちていたり。ここを理解できれば、正答率はだいぶ上がるんじゃないかと思います。

条文と国願法には目を通しておく

PCTの条文はそんな多くないので、文言をしっかり覚えなくても、だいたいどんなことが書いてあるかはざっと目を通しておいた方がよいと思います。

もし、さらに突き詰めるなら、条文とリンクしている規則を整理するとよいかもしれません。ちなみに、EPC(欧州特許条約)の条文と規則はEPOのウェブサイトに掲載されていますが、関連する条文と規則とはリンクが貼られているのですごい分かりやすいです。ただ、ここに時間を割くのは勿体無いので、せめて過去問や答練で出てきたものに絞ったほうが良いです。

あと国願法、意外と役に立ちます。これは、国際段階において日本国特許庁が受理官庁、国際調査機関、予備審査機関とするときの手続に関する法律であまり試験には出ないです。ですが、PCTの条文とかと違って日本語がしっかりしてるので分かりやすいです(PCT条文は翻訳)。なので、国際段階の手続とかは国願法を見ると理解しやすいかもしれません。

答練を利用する

それでもPCTは何が出るか分からないですし、全部を基礎から網羅するのは不可能です。なので、例えば、予備校の答練や模試で出た問題を利用して理解するのは良いかと思います。

ある程度問題をこなしていると、何となくですが、条文や規則を知らなくても、正誤の判断がだんだん合ってきたりすることもあります。

それでも解けない

しかし、それでも解けないのがPCTだったりします。PCTのいくつあるか問題なんて、正解できるかは正直運次第です。ましてや総会がらみの問題が出たら誰も解けません。こんな問題出す意味もないし。

なので、PCTは細かいところよりも、制度の流れを理解できれば、あとは慣れかなと思います。

そういえば、平成28年度の論文試験の特実1問目では国際出願の趣旨が出てきましたね。。。あれ四法の青本にはどこにも書いてないのにな。。。というくらい、国際出願は今後実務者にとっては避けられないものですので、せめて国際出願の一連の流れを理解はしておいたほうが良いと思います。